お腹周りが気になる方へ~内臓脂肪を目で見てみませんか?~ 長久手クリニック
こんにちは。
長久手クリニック 医師 の浅井奈央です。
最近、「メタボリックシンドローム」という言葉が広く知られるようになりましたが、皆さんはどのくらいご存じでしょうか?
今日は、内臓脂肪と健康との関係、そして当院でできる検査や対策について、詳しくご紹介します。
メタボリックシンドロームとは?
メタボリックシンドロームとは、以下の条件を満たす場合に診断されます:
- ウエスト周囲径が、男性85cm以上、女性90cm以上
- 血圧、血糖、脂質の3つのうち、2つ以上が基準値から外れる
ウエスト周囲径を測定する理由は、内臓脂肪の蓄積を推測する簡単なマーカーになるからです。
内臓脂肪とは何か?
内臓脂肪は、胃や腸などの臓器の周りについている脂肪のことです。一方で、皮下脂肪は皮膚の下にある脂肪で、つまむことができる部分をイメージしていただくと分かりやすいと思います。
なぜ内臓脂肪が重要なのか?
内臓脂肪は皮下脂肪に比べて、以下のような生活習慣病や心筋梗塞などのリスクを大きく高めます:
- 高血圧
- 脂質異常症
- 高血糖
また、日本人にはBMIが25未満の「非肥満」でも内臓脂肪蓄積を認める方が多く、冠動脈疾患のリスクが上がることが分かっています。
内臓脂肪の測定とリスク管理
内臓脂肪の増加傾向
内臓脂肪は、20~30代から増加し始め、以下のような傾向があります:
- 男性:40代で平均内臓脂肪面積が100cm²を超える
- 女性:50代以降に100cm²に近づく
内臓脂肪面積が100cm²以上の場合、肥満関連疾患のリスクが高まるとされています。
CTスキャンでの測定
CTスキャンを使用すれば、内臓脂肪量を直接測定できます。また、実際に画像を見ることで、脂肪の状態を目で確認できるため、健康状態を実感しやすくなります。
日本内科学会も、メタボリックシンドローム診断の際にCTスキャンによる内臓脂肪量の測定を推奨しています。
内臓脂肪と健康改善に関する研究
最新の研究では、内臓脂肪の減少が健康に大きく寄与することが示されています。
研究例①
- 内容: 内臓脂肪面積が100cm²以上の人は、高血圧、脂質異常、高血糖といった心血管疾患のリスクが高いことが判明。
(VACATION-J研究)
研究例②
- 内容: 1年間の追跡調査で、内臓脂肪が減少した人は、心血管リスクが有意に低下することが確認されました。
(VACATION-J研究)
研究例③
- 内容: 体重の3%減少が、血圧、脂質、血糖などを改善する最小条件であることが報告されています。
(肥満症診療ガイドライン2017)
当院でできること
長久手クリニックでは、CTスキャンによる内臓脂肪量の測定が可能です。健康診断のオプションとしても対応しておりますので、気になる方はお気軽にご相談ください。
内臓脂肪を正確に知ることで、生活習慣を見直す良いきっかけになります。今の小さな一歩が、未来の健康を大きく変えます。
最後に
メタボリックシンドロームや内臓脂肪に関するご不安がありましたら、ぜひ一度ご相談ください。長久手クリニックでは、患者さん一人ひとりに寄り添い、健康的な生活をサポートすることを目指しています。