なんのために血糖値を下げるのか?透析予防を軸とした糖尿病の治療|長久手クリニック

1. 長久手クリニックの糖尿病治療の軸
糖尿病や耐糖能異常と診断されると、不安や戸惑いを感じる方が多いのではないでしょうか。
糖尿病は透析治療が必要になる主な原因の一つですが、適切な治療と生活習慣の改善を始めることで、透析を予防できます。早期からの積極的な対応が未来の健康を守る鍵となります。
長久手クリニックでは、日本腎臓学会認定腎臓専門医として慢性腎臓病(CKD)予防を重視した糖尿病治療を行っています。
長久手クリニックの治療の目的は 「血糖を下げること」ではなく「血管と腎臓を守ること」 です。
高血糖・高血圧が血管を傷つけるメカニズムの一つを提示します。
血管の内側には「グリコカリックス」という保護層が存在し、血管を健康に保っています。高血糖や高血圧の状態が続くと、このグリコカリックスが損傷し、動脈硬化が進行しやすくなります。
特に腎臓は血管の塊ともいえる臓器であるため、血糖や血圧の管理が重要です。
血管を守るためには以下の3本柱が重要です:
・血圧を正常範囲に保つ
・コレステロール値を適切に管理する
腎臓は血管の塊ともいえる臓器です。腎臓を守ることは全身の血管を守り、健康を維持するための鍵となります。
2. 腎臓は悲鳴をあげてくれる臓器です
腎臓の障害は「尿の異常」として早期にサインを出します。
特に糖尿病性腎症では、腎機能低下の前に尿中のタンパク(アルブミン)が増えることが知られています。
この「警告」を見逃さず、早期から尿蛋白を減らす治療を行うことが、腎臓を守るために重要です。
3. 腎臓を意識することは脳や心臓を守ることにつながります
腎臓は全身の血液循環に密接に関わっています。
腎臓を意識した治療を行うことで、脳卒中や心筋梗塞のリスクも低減できます。
4. 糖尿病の症状
糖尿病の症状には以下のようなものがあります。・ 喉の渇き
・ 尿量や頻度の増加
・体重減少
・倦怠感
・頭がぼーっとする など
軽度の高血糖では自覚症状がないこともあるため、早期検査が重要です。
5. 糖尿病の初診時に行う検査
・血糖値・HbA1c:過去1~2か月の血糖値の状態を把握します。
・抗体検査(抗GAD抗体など):免疫異常による糖尿病かを確認します。
・Cペプチド:インスリン分泌能を評価します。
・尿蛋白:腎臓への影響を確認します。
6. 糖尿病治療の3本柱
1. 食事療法
食事の基本ルールとして、3食をきちんと食べることが大切です。以下のポイントを意識しましょう。・寝る前3時間は食べない:夜遅い食事は翌朝の血糖値を上げやすくします。
・よく噛んでゆっくり食べる:満腹感を得やすくし、血糖値の急上昇を防ぎます。
・食物繊維を積極的に摂取:野菜やきのこ、海藻などを最初に食べると、血糖値が上がりにくくなります。
2. 運動療法
運動には、インスリンの効き目を改善する効果があります。忙しい方でも、以下のような「すきま運動」を取り入れてみましょう。・エレベーターの代わりに階段を使う
・デスクワーク中に軽いストレッチをする
3. 薬物療法:SGLT2阻害薬(フォシーガやジャディアンス) や マンジャロ
SGLT2阻害薬は、糖尿病治療において腎臓の保護にも効果が期待できる重要な薬です。
主な効果
・腎機能の保護と腎症の進行抑制
・体重減少と血圧低下による腎臓や心臓への負担軽減
・心血管疾患リスクの低減
使用時の注意
・ 脱水に注意:水分補給を普段より500mLほど多めに行いましょう。
・尿路感染症・性器感染症のリスク:症状が現れた場合は早めに受診してください。
・正常血糖ケトアシドーシス:全身のだるさや吐き気などがあれば医師に相談してください。
8. 歯周病と糖尿病
糖尿病が歯周病を悪化させ、歯周病が糖尿病を悪化させる相互関係があります。
・正しい歯磨きとフロスの使用