イグラチモド(ケアラム等)~関節リウマチの大事なお薬~|長久手クリニック 内科・腎臓内科・リウマチ科

長久手クリニック医師の浅井昭雅(日本リウマチ学会認定リウマチ専門医・指導医)が考えるイグラチモドの使用方法を以下に紹介します。
長久手イオンそばの長久手クリニックは長久手市を中心に、尾張旭市・瀬戸市・豊田市・日進市・名古屋市名東区からの関節リウマチや膠原病のご相談・受診に対応しています。
目次
イグラチモド(ケアラム等)とは?
イグラチモド(商品名:イグラチモド「あゆみ」、ケアラム、コルベット等)は、長久手クリニックではメトトレキサートの次に処方量の多いリウマチのお薬です。当院では大事に使用している薬のひとつです。
作用機序(なぜ効くの?)
T細胞の中でも自己免疫と関係の深いTh17の働きを抑制し、さらにB細胞からの自己抗体産生を抑える作用があります。
このため、シェーグレン症候群などの合併例でも、作用機序から考えて使用しやすく、理論的に効果が期待できる薬です。
シェーグレン症候群について詳しくは、以下の記事もご覧ください:
>>>シェーグレン症候群とリンパ節腫脹についてはこちら<<<
長久手クリニックでの使用例
当院では、シェーグレン症候群の合併例で関節炎が強くない場合に、「関節リウマチ(長期的には関節が破壊される)」か「シェーグレン症候群(長期的には関節破壊が少ない)」か判断が難しいケース、または関節リウマチの中でも回帰性リウマチ寄りで、第一選択薬のメトトレキサート(MTX)をまだ使用しなくてもよさそうな間欠的な関節炎の方に、発作の間隔を延ばす目的で用いることがあります。
>>>メトトレキサートについてはこちらをご参照ください<<<
また、発作の間隔が短くなってきた回帰性リウマチ様のケースでも使用を考えます。
>>>回帰性リウマチについてはこちらをご参照ください<<<
用量・効果が出るまで
通常は1錠から開始し、2〜4週間後に肝臓や腎臓などの血液検査を行い、問題がなければ2錠に増量します。2錠に増量してから2〜4週間で効果を感じる方が多いです。
注意点・副作用(禁忌を含む)
注意が必要な副作用には、肝機能障害・腎機能障害・胃潰瘍(必要に応じて胃薬を併用)、薬剤性肺炎などがあります。薬剤性肺炎は、鼻水や喉の痛みなどの上気道症状がないのに発熱・空咳・歩行時の息切れが出るのが特徴です。これらの症状が出た場合は、重くならないうちに服用を中止して受診してください。
自然免疫系(単球など)の細胞増殖にはほとんど影響がなく、感染症のリスクは有意に増加しないとされています。
重要:心房細動など不整脈で使用される血をさらさらにするワーファリンという薬を飲まれている方は禁忌になります。必ず事前にお知らせください。
費用の目安
イグラチモドの薬価はジェネリック製剤で1錠あたり約37円です。最大量の1日2錠×30日を服用した場合、自己負担3割で約700円の薬剤費となります。比較的費用負担が少なく、長期的に継続しやすいお薬です。
長久手クリニックは長久手市を中心に、尾張旭市・瀬戸市・豊田市・日進市・名古屋市名東区からのご相談・受診にも対応しています。
記載者:日本リウマチ学会認定リウマチ専門医・指導医 浅井昭雅