シェーグレン症候群とは?目・口の乾きと全身の症状|長久手クリニック
「シェーグレン病ってなに?」「この渇き、もしかして…」
「最近、やたらと口が渇く」「目がゴロゴロして痛い」
そんな症状で検索して、このページにたどり着いた方もいらっしゃるかもしれません。
あるいは、病院で「シェーグレン病ですね。内臓は大丈夫そうなので、あとは眼科や歯科に通ってください」と言われ、不安なまま帰宅された方もいるでしょう。
長久手クリニックは、そんな「診断がついた後の不安」や「もしかして?」という心配を抱える方々のための街のクリニックです。
シェーグレン病は、本来細菌やウイルスから体を守るはずの自分自身の「リンパ球」が、誤って涙や唾液を作る工場(腺)を攻撃してしまう病気です。
しかし、実はこの攻撃は「腺」だけにとどまらず、「全身(=腺外)」に及ぶことがあります。
そのため、ご自身の病状が「腺だけ」への影響なのか、それとも「腺外(全身)」にも及んでいるのか、大きく2つに分けて捉えることが非常に重要です。
この区別をしっかり理解していただくことが、納得のいく経過観察や治療への第一歩となります。
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1. シェーグレン病の「2つの顔」
影響がどこに出るかによって、症状は以下の2つに整理できます。
免疫が「涙腺」や「唾液腺」を攻撃することで起きます。
免疫の攻撃が、目や口以外の「全身」に及んでいる状態です。
「あなたに②の『腺外症状』があるかどうか」をしっかり見極めることが大切です。
大きな病院で「シェーグレン病ですね。内臓は大丈夫そうなので、あとは眼科や歯科に通ってください」と言われた患者さんは、おそらく②がなく①のみであり、対処療法を行えば大丈夫な患者さんかと思います。
当院は街のクリニックとして、腺外症状が出ないかフォローすることが可能です。
2. 治療の考え方と欧州のガイドラインについて
治療の参考として、欧州リウマチ学会(EULAR)などの国際的な診療ガイドラインがありますが、ここには日本では保険適応外となっている治療薬も多く含まれています。
当院ではこうした知見も踏まえつつ、日本の保険制度の中で可能な、患者さん一人ひとりに合わせた治療方針を慎重に検討していきます。
① 腺症状(乾燥)へのアプローチ
基本は、乾燥による不快感を和らげ、生活の質を守る「対症療法」です。
ガイドラインでも、まずは環境調整や局所療法が推奨されています。
ここで重要なのは、ドライアイやドライマウスなどの「腺症状だけ」に対しては、ヒドロキシクロロキン、ステロイド、免疫抑制薬、リツキシマブなどの強力な治療は推奨されていないということです。
残念ながら、診断がついたからといって乾燥症状を「劇的に治す」特効薬は今のところありません。これがシェーグレン病の治療の難しいところです。
② 腺外症状(全身)へのアプローチ(欧州のガイドラインを中心に)
一方で、関節痛や全身の臓器に影響が出ている「腺外症状」に対しては、「免疫の暴走を抑える治療」を検討されます。しかし、日本では保険適応外のお薬も多いです。
欧州のガイドラインでは、症状が出ている臓器に合わせて、お薬の使用が提案されています。しかし、個々の患者さんでどのような治療をしていくべきかはまだ結論が出ていないかと思います。
● 当院の治療アプローチ:イグラチモドについて
当院では、関節痛が強く、関節リウマチが合併していると判断した場合で、かつメトトレキサートを使うほどではない(あるいは使用が難しい)ケースなどには、積極的にイグラチモド(ケアラム®など)を使用しています。(シェーグレン病のみでは保険適応外です)
この薬剤については、最新の研究でもシェーグレン病に対する有効性と安全性が報告されており、効果が期待される選択肢の一つです。
参考文献
Chen X, Zhang T, Meng L, Xu C, Jiang L, Wang G, et al. Efficacy and safety of iguratimod in patients with primary Sjögren’s syndrome: a multicentre randomised controlled trial. RMD Open. 2025;11:e006180.
https://doi.org/10.1136/rmdopen-2025-006180
3. 街のクリニックとしてできること...「定期フォロー」
前述の通り、乾燥症状を劇的に治すことは難しいのが現状です。
だからこそ、症状を緩和しながら何より大切にすべきなのは、「腺外症状が出てこないかをフォローし続けること」です。
「私は口が乾くだけだから大丈夫」と思っていても、気づかないうちに肺や腎臓などに負担がかかっていることがあります。
当院では、6ヶ月ごとに定期検査を実施し、見えない全身の変化を見逃さないようチェックしています。
特に注意してフォローしている合併症:
シェーグレン病の方は合併しやすいため、定期的に確認します。
3~5%の確率で合併すると言われています。早期発見のため、血液検査などで継続的にフォローを行います。
特に腎臓では、尿中にカルシウムが多く出てしまう(高カルシウム尿症)ことで、「多発する腎結石」ができやすくなることがあります。
これが腎障害のサインとなることもあるため、尿検査や画像検査で慎重に経過を診ていきます。
治療の選択肢と合併しやすい病気について
当院では、患者さんの状態に合わせて様々な治療法をご提案しています。
また、合併しやすい他の病気についても注意深く観察しています。
4. 長久手・日進・名東区でご不安な方へ
シェーグレン病は、乾燥だけの病気ではありません。
しかし、正しく分類し、それぞれに適した治療と定期的なチェックを行えば、過度に怖がる必要はありません。
「私の場合はどうなんだろう?」
「目薬だけで本当にいいのかな?」
当院では、長久手市だけではなく近隣の日進市、名古屋市名東区、東郷町、豊田市、尾張旭市、瀬戸市などからも患者さんが来院されます。
「腺症状」へのケアと「腺外症状」への専門的なフォロー、両面からサポートいたします。
浅井 昭雅(医師・博士(医学)・日本リウマチ学会認定リウマチ専門医・指導医・日本腎臓学会認定腎臓専門医)




