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移動する関節の痛み(関節炎)|回帰性リウマチとは|長久手クリニック

回帰性リウマチにてあちこちの関節の痛みを発症する女性のイラスト

「昨日は手首が腫れて痛かったのに、今日はもう治っている」
「関節の痛みが、手、足、膝に移動する」

このように、関節が腫れて治る、痛みや腫れが出たり消えたりして、 「病院に行くころには症状が消えてしまい、うまく説明できない」場合、 回帰性リウマチという病気のことがあります。

この病気について記事で取り上げてから、 「こういう病気があることを初めて知り、手がかりがつかめて安心しました」 というお声がけをいただくようになりました。

同じような症状で悩んでいるのは、あなただけではありません。

この記事を書いた医師
長久手クリニック 内科・腎臓内科・リウマチ科
日本リウマチ学会認定リウマチ専門医・指導医、日本腎臓学会認定腎臓専門医が、患者さんに向けて解説します。
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回帰性リウマチとは?

回帰性リウマチは、急にあちこちの関節が痛んだり腫れたりしても、 数時間から1週間ほどで自然に消えてしまう病気です。

痛みや腫れがない時期は 「本当に病気なのか分からない」「周囲の理解を得られない」 と悩まれる方も少なくありません。

回帰性リウマチの主な症状と特徴

特徴的なのは「腫れて、治って、また腫れる」という経過です
関節が実際に腫れ、痛む
・急激に始まる痛みや腫れが、数時間〜1週間ほどで自然に消える
・多くは半日〜2日程度で改善することが多い
・症状のない時期をはさんで、同じ関節または別の関節に再び腫れや痛みが出る

回帰性リウマチと関節リウマチの違い

回帰性リウマチでは、関節が腫れて痛くなっても、 その炎症が半日〜2日程度で自然に治まり、症状のない時期があることが特徴です。

一方、関節リウマチでは、 関節の炎症が続いていくことが特徴です。

回帰性リウマチが 「腫れる → 治る → また腫れる」 を繰り返すのに対して、関節リウマチは 関節の炎症が続き、じわじわと症状が続いたり悪化したりしていく病気です。

そのため、回帰性リウマチでは病院を受診するころには関節の腫れがなくなっていることが多いです。 腫れている時の写真や、どの関節がどのくらいの期間腫れていたかという記録があると、 経過を確認する参考になります。

一方で、回帰性リウマチは 関節リウマチの前段階 という学説もあります。

回帰性リウマチでは関節の痛みや腫れが間欠的に起こり、一部が関節リウマチへ移行することを示す図

報告による差は大きいですが、 1〜20年の間におよそ半数が関節リウマチに進展 するという報告(PMID: 33842513)もあります。

関節リウマチに進展するということは、関節の炎症が持続し、 その状態が続けば関節の破壊が起こり得るということです。 そのため、関節リウマチでは関節の炎症を抑えるために、 継続的にお薬を使用して治療していきます。

一方、間欠的な関節炎を起こす回帰性リウマチでは、 発作が起きた時の治療だけで経過をみる方もいます。 症状の出方や頻度によって治療は変わりますので、 詳しくは「治療と経過観察」の項目をご覧ください。

全員が必ず関節リウマチに進行するわけではありませんが、 経過観察が必要です。

そのため、「今日は腫れていないから大丈夫」という1回の状態だけではなく、 これまでどのように腫れたり治ったりしてきたのかを確認していきます。

また、関節リウマチ以外にも、シェーグレン症候群、全身性エリテマトーデス(SLE)、 全身性強皮症、筋炎などの膠原病を発症するという報告もあります。

膠原病の発症に早く気づくための手がかりとして、レイノー現象は重要です。

関節リウマチへ進行するリスク要因

以下のような場合は、関節リウマチへ進行する可能性が高いとも言われています。

喫煙歴がある
歯周病がある
・血液検査でリウマトイド因子(RF)が陽性
抗CCP抗体が陽性

ただし、これらがあるから必ず関節リウマチになるという意味ではありません。 症状の出方、血液検査、関節エコーなどを組み合わせながら、 慎重に経過を見ていくことが大切です。

治療と経過観察

発作時の痛みや腫れには、ロキソニンやセレコキシブのような 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)を用います。

周期的に症状が数日続き、お仕事や家事などの日常生活に影響が出る方には、 ステロイド(1日あたりプレドニン15mg程度)を使用し、 「いつもなら治るまでに数日かかるのに、1日で治った……」 と発作が短くなるかも検討します。

痛みが治まっているときでも、定期的な診察や血液検査が重要です。 状況に応じて関節エコーやX線検査を行い、進行の有無を確認します。

関節リウマチの中でも回帰性リウマチ寄りで、 関節リウマチの第一選択薬である メトトレキサート(MTX) をまだ使用しなくてもよさそうな間欠的な関節炎の方には、 発作の間隔を延ばす目的で イグラチモド というお薬を用いることがあります。

関節リウマチでは、関節炎の程度や続き方によって治療の考え方が変わります。 治療全体の流れについては、以下の記事もご参照ください。

患者さんからよくあるご質問

Q1. 痛みが自然に治まるので放置してもいいの?

A. 痛みが消えたからといって、完全に安心できるわけではありません。
特に、血液検査で抗体が陽性の方は、関節リウマチなどに進行する可能性があります。
定期的に受診して、症状がないときでも検査を受けておくのが望ましいです。

Q2. どのタイミングで受診すればいい?

A. 痛みや腫れが強く出たとき、 もしくは症状が治まった直後など、なるべく早めの受診をおすすめします。

症状がない時期にも、半年に1回程度は検査を受けておくと安心です。

Q3. 日常生活で気をつけることはありますか?

A. 欧州リウマチ連盟(EULAR)は、早期の関節炎から 関節リウマチへの進行を予防するために以下の3つを推奨しています。 これらはRF陽性で症状がない方にとっても、健康維持のために意識してよい習慣といえます。

禁煙
歯周病の治療
適切な体重管理(減量)

参照:Diagnosis, prognosis and classification of early arthritis: results of a systematic review informing the 2016 update of the EULAR recommendations for the management of early arthritis (DOI: 10.1136/rmdopen-2016-000406

Q4. 「自己免疫疾患」「膠原病」を防ぐために気をつけることはありますか?遺伝しますか?

回帰性リウマチに限らず、 「自己免疫疾患」「膠原病を防ぐために気をつけることはありますか?」 「遺伝しますか?」とよく質問を受けます。

結論が出ていない分野になります。正解はありません。
とにかくやりすぎは禁物です。不安になりすぎない、考えすぎないようにしましょう。

そのうえで、以下の記事もご参照いただければと思います。

まとめ

回帰性リウマチは、 実際に関節が腫れ、その腫れが自然に治り、また同じ関節や別の関節が腫れる ことを繰り返す病気です。

症状が自然に消えるため見過ごされがちで、 周囲に理解を得られにくい病気でもあります。

また、関節リウマチをはじめとした膠原病に進行する可能性もあるため、 定期的な受診と検査が欠かせません。

症状の出るタイミングや検査結果によって治療方針は変わりますので、 経過を確認しながら判断していきます。

長久手クリニックからのアドバイス

「痛みがあっても自然に消えたから大丈夫」と思い込まず、 症状の経過や痛みの程度、関節の状態を記録しておくと受診時にスムーズです。

「1回の診察で診断することは不可能であり、症状経過を慎重に観察することが重要である。」 (リウマチ病学テキスト改定第3版より)と教科書にも記載があるように、 検査値だけではなく経過が重要になる病気です。

一人で抱え込まず、気になることがあればご相談ください。
痛みで不安になる患者さんが一人でも減ることが、長久手クリニックの願いです。

関節が腫れて、治ったあとにまた腫れることを繰り返している方へ

実際に関節が腫れ、その腫れが自然に改善したあと、 同じ関節または別の関節が再び腫れることを繰り返している方は、 リウマチ・膠原病外来で経過をご相談いただけます。

受診時に腫れが消えている場合は、 腫れた時の写真やこれまでの血液検査結果があれば、診察時に確認します。

繰り返す関節の腫れを相談する リウマチ・膠原病外来のWeb予約

浅井 昭雅(医師・博士(医学)・日本リウマチ学会認定リウマチ専門医・指導医・日本腎臓学会認定腎臓専門医)

2026年08月18日 00:00

医療法人雅会 長久手クリニック

〒480-1111 愛知県長久手市山越115番地

内科/TEL:0561-59-1210

歯科/TEL:0561-61-6050


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