慢性腎臓病(CKD)を知ってほしい!|慢性腎臓病と血管の健康:腎臓を守るためにできること|長久手クリニック
最近、慢性腎臓病(CKD)という言葉をよく耳にするようになりましたね。
慢性腎臓病は、尿の異常が早期の兆候となり、症状が進行するまで気づかれにくいことが特徴です。
腎臓は血液から老廃物をろ過して尿を作る重要な役割を果たしています。
さらに腎臓は尿を作るだけでなく、血圧を調整するホルモンや赤血球を増やすホルモンを分泌したり、骨を健康に保つためのビタミンDを活性化するなど、重要な役割を担っています。
腎臓の機能が低下すると、血圧やミネラル(ナトリウムやカリウムやカルシウム)や貧血の管理が難しくなり、全身に影響を与えることになります。
腎臓の機能が悪化(慢性腎臓病(CKD)が悪化)するにつれ、心筋梗塞や脳卒中のリスクが増えてしまうことが知られています。。
腎臓は「血管の塊」とも言える臓器です
腎臓は「血液から不要なものをろ過して尿をつくる」ことからわかるように「血管の塊」です。「腎臓」を守ることを意識することは「血管」を守ることに繋がります。
そして、血管の障害が進むと、腎臓の機能にも悪影響を与えます。高血圧や糖尿病、高脂血症などの動脈硬化を引き起こすご病気が慢性腎臓病を引き起こす主な原因となります。
これらのリスクを管理することが、腎臓の健康を保つためにとても大切です。
糖尿病と慢性腎臓病
例えば、糖尿病は慢性腎臓病の大きな原因の一つです。血糖値が高くなると、血液中の糖分が血管の内側を傷つけ、腎臓を含む血管がダメージを受けます。
糖尿病による腎障害(糖尿病性腎症)は、血糖値がしっかり管理されていても、少しずつ進行してしまうことがあります。そのため、定期的な検査と早期発見がとても重要です。
高血糖が血管を傷つける原因の一つは、血糖が多くなると血管表面を保護しているヒアルロン酸やヘパラン硫酸からなるゲル状の物質(グリコカリックス)が剥がれ落ちることです。これにより本来は隠されていたはずの血管内皮の表面が露出し障害され、コレステロールなどが血管にくっついて動脈硬化を進行させます。高血圧が続くと、この剥がれ落ちる量が増え、血管の損傷がさらに加速します。これが腎機能低下に繋がり、最終的には透析が必要になることもあります。
高血圧や脂質異常と腎臓の健康
糖尿病だけでなく、高血圧やその他の血管の問題も腎臓に悪影響を与えます。高血圧が続くと、腎臓の血管が圧力に耐えきれずに損傷を受け、機能が低下します。高血圧の管理も、慢性腎臓病を予防するためにはとても大切です。
腎臓の「悲鳴」を聞くこと
腎臓は他の臓器とは違って、病気が進行する前に「悲鳴」をあげてくれる臓器です。
例えば、脳や心臓の血管に問題が起こると、脳出血や心筋梗塞といった深刻な症状が現れますが、腎臓は尿に異常が現れることで、早い段階で警告を発してくれます。
糖尿病や高血圧が原因で腎臓の機能が低下する前に、尿の中に糖や蛋白(アルブミン)が漏れ出すことがあります。この「悲鳴」に早く気づき、適切な治療を行うことで、腎機能の低下を防ぐことができます。
腎臓を守ることは全身の血管を守ることに繋がります
腎臓を意識することは、単に腎臓の健康を守るだけでなく、脳や心臓など重要な臓器を守ることにもつながります。
糖尿病や高血圧をしっかり管理することは、腎臓だけでなく、脳や心臓の健康を守り、脳卒中や心筋梗塞を防ぐためにもとても重要なのです。
長久手クリニックの取り組み
長久手クリニックでは、慢性腎臓病の早期発見と治療を重視しています。
腎臓病の治療を通じて皆様の血管を守ることが使命だと考えています。
患者さん一人一人の血糖値や血圧、コレステロールの管理をサポートし、腎臓の「悲鳴」を聞いて早期に尿検査を行い、必要な治療を進めています。
慢性腎臓病の進行を防ぐために、日々の健康管理をしていきましょう。