健康診断で腎機能障害が指摘された場合の対応|長久手クリニック
健康診断で腎機能障害が指摘された場合の対応
健康診断で腎機能が低下していることがわかった場合、その原因を特定するためにいくつかの検査を行います。 腎臓の働きを正確に評価し、適切な治療方針を決めるためには、以下のような対応を行います。
腎機能が本当に低下しているのかを確認する
腎機能の低下を正確に評価するため、以下の検査を行います。
検査項目 | 特徴 |
---|---|
クレアチニン(Cre) | 筋肉から産生されるため筋肉量の影響を受ける指標。筋肉量が少ない場合(サルコペニア、四肢欠損など)はeGFRcrが高く推算(“良い値”が出やすい)され、 筋肉量が多い場合(アスリートなど)は低く推算(“悪い値”が出やすい)されます。 |
シスタチンC | 筋肉量の影響を受けず、全身の細胞から産生される指標。“良い値”が出やすい傾向があります。 |
これらの数値を用いて、eGFR(推定糸球体濾過量)を算出し、腎機能を評価します。
腎臓や尿路の構造的な異常を確認する
腎臓や尿路の構造的な問題が腎機能に影響を与えている可能性があるため、以下を確認します:
- 腎臓の数や形態異常:腎臓が1つしかない場合や形態に異常がある場合は腎機能に影響を及ぼす可能性があります。
- 腎後性腎不全の原因:尿路が妨げられていないか(腎腫瘍、腎結石、前立腺腫大など)。
これらはCT検査で確認します。
全身的な疾患が原因で腎機能が低下していないか確認する
腎臓が糖尿病や高血圧、高脂血症などの全身的な疾患の影響で動脈硬化の結果、腎機能の障害が出ている場合があります。 これらの疾患を治療することで腎機能の悪化を防ぐ効果が期待できます。
もし検査の結果、大丈夫だった場合の再受診の目安
- クレアチニン値やeGFRが経時的に悪化している場合(クレアチニンは上昇、eGFRは低下)
- 尿検査で異常(蛋白尿や尿潜血)が見られた場合
2024年05月17日 16:42