長久手クリニック|内科・腎臓内科・リウマチ科・歯科|長久手・日進・名古屋名東区・瀬戸・尾張旭

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「腎機能低下(eGFR低下)」「腎臓の値が悪い」と指摘された方へ|長久手クリニック 内科・腎臓内科・リウマチ科

長久手クリニック腎臓内科

浅井昭雅(医学博士、日本腎臓学会認定腎臓専門医、日本リウマチ学会認定リウマチ専門医・指導医 長久手クリニック)


健康診断の結果で「eGFR」の数値が低く、再検査が必要と判定された際、多くの方が「自分の腎臓はもう手遅れなのか」と不安を感じます。

しかし、腎臓の数値は非常にデリケートです。一度の数値だけで絶望する必要はありません。大切なのは、その数値が「あなたの今の体の状態を正確に反映しているか」を精査し、もし本当に低下しているのであれば、早期に進行を食い止める対策を講じることです。

クレアチニンとeGFRの本当の意味

まず知っていただきたいのが、判定の基準となる「クレアチニン」の意味です。
クレアチニンは筋肉を動かした際に出る「老廃物(ゴミ)」です。このゴミを腎臓が濾過して尿として捨てるため、血中のゴミの量を見れば腎臓の働きがわかる、という仕組みです。

ここに大きな落とし穴があります。クレアチニンは筋肉量に左右されるのです。

例えば、同じクレアチニン値が「1.2」という二人のケースを比較してみましょう。

  • 💪 筋肉モリモリのボディービルダー
    筋肉量が非常に多いため、もともと出るゴミ(クレアチニン)の量も膨大です。1.2という値は「ゴミは多いが、腎臓がフル回転してしっかり捨てている」正常な状態である可能性があります。
  • 👵 80歳のおばあちゃん
    筋肉量が少ないため、出るゴミ(クレアチニン)の量はわずかです。同じ1.2という値でも、おばあちゃんの場合は「ゴミは少ないはずなのに、腎臓が捨てきれずに溜まっている」という、腎機能がかなり低下した状態を指します。

この「筋肉量によるゴミの出方の違い」という欠点を補うために、クレアチニン値を年齢と性別で考慮し、腎臓の能力を100点満点に近い「点数」に換算したものが、健診結果にある eGFR(推定糸球体濾過量)です。

クレアチニン(eGFR)の限界とシスタチンC

クレアチニン(cre)で算出するeGFRcreによって精度は上がりましたが、それでも「個人の筋肉量の違い」までは完全にカバーできません。

そこで当院では、再検査の際に「シスタチンC」という項目を測定します。シスタチンCは全身の細胞から一定の割合で産生される物質で、筋肉量の影響をほとんど受けません。シスタチンC(cys)から求めたeGFRcysを測定することで、より客観的な評価が可能になります。

シスタチンCによる評価の限界と当院の取り組み

ただし、シスタチンCも万能ではありません。大きな問題は「実際よりも良い値(高いeGFR)が出やすい」という特性があることです。また、検査を依頼する会社によって数値の差が出やすいという不安定さも抱えています。

現場では、クレアチニンでのeGFRcreは「60」なのに、シスタチンCによるeGFRcysでは「100」と出るような、極端な乖離に直面することがあります。大きな乖離を認めた方にどのようにアプローチをすればいいのかは定まっていません。両者の平均をとる手法などが提案されているものの、学会のガイドラインでも明確な基準は定まっていません。

そのため、当院では単に数値の「平均」だけで判断を完結させるのではなく、多角的な視点からより精密な評価を行うよう努めています。

長久手クリニックでは、CTによる腎臓の形態評価に加え、尿蛋白、そして腎臓が壊れた時に出る尿中β2MGやNAGといった「尿細管マーカー」を組み合わせて解析します。これらのデータを突き合わせることで、「どちらの数値があなたの実態に近いのか」を多角的に判断し、複合的に腎臓の機能を評価していきます。

腎機能が低下する背景を突き止める

再検査では、数値の正確な評価と同時に、以下の優先順位で原因を調べます。特に当院では、CT検査による画像診断を非常に重視しています。

構造的な異常(CT検査:当院の強み)

腎機能の数値は、腎臓そのものの形や個数といった「構造」に大きく支配されます。当院ではCTを活用し、以下のポイントを詳細に確認します。

  • 腎臓の個数と形態:意外に思われるかもしれませんが、生まれつき腎臓が一つしかない方は決して珍しくありません。腎臓が一つであれば、血液を濾過する工場の数が半分なのですから、eGFRの数値が低く出るのは当然の結果です。こうした形態の異常は、数値に直結する非常に重要な情報です。
  • 動脈硬化の評価:腎臓は血管の塊です。CTによって腎動脈やその周辺の動脈硬化の状態を評価することで、血管の老化がどの程度腎機能に影響しているかを探ります。
  • 皮質の凹凸評価:腎臓の表面(皮質)に凹凸がないかを確認します。表面がボコボコしている場合は、過去の炎症や慢性的なダメージの蓄積を反映しており、今後の悪化リスクを予測する手がかりになります。
  • 尿路の閉塞・腫瘍:腎臓がん、前立腺肥大、尿管の詰まりなど、物理的に尿の流れが妨げられていないか(腎後性腎不全)を確認します。

全身疾患の影響(生活習慣病など)

糖尿病、高血圧、脂質異常症などは、腎臓の細い血管を傷め、機能を低下させる最大の原因です。これらを適切に管理・治療することが、そのまま腎臓の寿命を延ばすことに直結します。

自己免疫の関与

膠原病などの自己免疫疾患の一部として、自分自身の免疫が腎臓を攻撃している場合があります。血液検査でこれらの異常がないかをチェックします。

🔍 関連記事:膠原病とは何か?

👉 膠原病と自己免疫疾患の仕組みを詳しく解説

腎臓の寿命を延ばすために:慢性腎臓病(CKD)への治療戦略

現在、慢性腎臓病(CKD)の治療は飛躍的に進化しています。当院では患者さんの状態に合わせ、最新の知見に基づいた薬剤の提案を行っています。

① 腎臓病のみの患者さん(糖尿病なし)への革新的アプローチ

主軸となる薬剤:SGLT2阻害薬(フォシーガ・ジャディアンスなど)

このお薬の登場は非常に画期的です。これまでの治療は「血圧を下げる」「コレステロールを下げる」といった個別の数値を個々に狙うものでしたが、SGLT2阻害薬は「体重を減らすこと」を起点に、全身の状態を改善させるという新しい機序を持っています。

💡 体重減少のメカニズム
SGLT2阻害薬は、本来体が吸収するはずのブドウ糖を尿中に排出します。1日に排出される糖の量は約60~80gに及び、これはカロリーに換算すると240~320kcal(ご飯1.5杯分程度)に相当します。この余剰エネルギーが毎日排出されることで自然な体重減少が促され、平均して2~3kgの減量効果が認められています。

  • 多角的な効果:それぞれの専用薬ほどではないものの、体重減少を介して、血圧・コレステロール・中性脂肪・尿酸値などのリスク因子を「底上げ」的に一括して改善する可能性があります。
  • 実感できる効果:実際に「体重が減る」という作用を実感しやすく、それが腎臓のフィルターにかかる物理的な負担を劇的に軽減させます。

② 腎臓病と糖尿病が合併している患者さんへ

最新の治療:マンジャロ(チルゼパチド)+ SGLT2阻害薬 の併用療法

糖尿病を合併している場合、より強力な治療が必要となります。最新の注射薬である「マンジャロ」「SGLT2阻害薬」を組み合わせることで、血糖コントロールと腎保護の両面で非常に高い相乗効果が期待できます。

内臓脂肪の減少によるメリットは計り知れず、合併症の進行を食い止めるための最も強力な戦略となります。

これらに加え、当院では以下の目標値をベースに管理を行っています。

  • 血圧: 130/80mmHg 以下(血管を守る基本です)
  • 血糖: HbA1c 7.0% 未満(腎症の進行を抑えます)
  • 塩分: 1日 6g 未満(当院ではスポット尿による摂取量推定で具体的指導を行います)
  • 習慣: 禁煙と適度な有酸素運動

経時的に悪化するのがリスクです:eGFRスロープの重要性

「数値が基準内だから」「以前の健診や長久手クリニックで大丈夫と言われたから」と安心してしまうのではなく、数値が「経時的にどう変化しているか」に注目することが極めて重要です。
実は、単発の数値以上に大きなリスクとなるのが、数値が下がり続ける「eGFRスロープの悪化」です。

📉 一時的な変動に惑わされない
クレアチニン値は、脱水、発熱、激しい運動などで一時的に上下します。そのため、昨年と今年の「2点のみ」を比較するだけでは、本当の悪化(進行性)なのか判断できません。

📉 複数のデータで「線を引く」重要性
たとえ過去に「大丈夫」と言われたことがあっても、その後の数値が右肩下がりに低下し続けている場合は注意が必要です。特に、年間で2以上(ml/min/1.73m²/年)の低下が見られる場合は危険信号です。腎臓の状態を正確に把握するには、複数回計測して「線を書いていく」ことが不可欠です。

📉 未来の予測
eGFRスロープの傾きが急なほど、短期間で末期腎不全へ至るリスクが高いことが示されています。「今何点か」だけでなく「どの速さで下がっているか」を解析することが、将来の透析回避には不可欠です。

そのため、当院での診察には過去の健康診断のデータが「あればあるほど」正確な診断に繋がります。数年分のデータをお持ちいただければ、その傾き(スロープ)を専門医が解析し、あなたに最適な治療をご提案します。

腎機能のケアは、早ければ早いほど選択肢が広がります。健診の結果をそのままお持ちいただければ、専門的な知見から分かりやすく解説いたします。


長久手クリニック 内科・腎臓内科・リウマチ科

浅井 昭雅(あさい あきまさ) 浅井 奈央(あさい なお)
・日本リウマチ学会認定リウマチ専門医・指導医
・日本腎臓学会認定腎臓専門医

【長久手・日進・名古屋・瀬戸・尾張旭・豊田で専門医をお探しの方へ】

当院は長久手市を中心に、名古屋市名東区、日進市、瀬戸市、尾張旭市、豊田市など、広い地域からご来院いただいております。
長久手イオンそばのグリーンロード沿いでアクセスしやすく、駐車場も完備しております。

「関節リウマチ・膠原病」や「腎臓・尿の異常(蛋白尿・血尿)」は専門性が高い分野です。
地域でも数少ないCT装置を完備しており、必要であれば詳細な診断が可能です。
「気軽に専門医の診断や治療を受けたい」「診断から治療まで、責任を持って同じ医師に診てほしい」という方は、ぜひ身近な街のクリニックとしてご相談ください。

日々、多くの近隣地域の皆様に支えられ、診療ができることに心より感謝申し上げます。

2026年02月03日 23:57

医療法人雅会 長久手クリニック

〒480-1111 愛知県長久手市山越115番地

内科/TEL:0561-59-1210

歯科/TEL:0561-61-6050

 
9:00〜12:30
14:00〜19:00
  • 土曜日のみ9:00~12:30 14:00~18:00

休診日 木曜、日曜、祝日 (祝日のある週の木曜は診察)

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