寒くなりましたが「レイノー現象」はありませんか?抗核抗体・膠原病・全身性エリテマトーデス(SLE)との関係|長久手クリニック
抗核抗体陽性とレイノー現象、SLEについて
抗核抗体陽性とは
抗核抗体は、自分自身の体内の核に対して反応してしまう抗体(=自己抗体)です。
抗核抗体が陽性の場合、自己免疫疾患の可能性があります。
通常、免疫系は外部からの病原体を攻撃しますが、自己免疫疾患では、自分の細胞の核(細胞の中心部分)などを攻撃する抗体が作られます。
この抗体が存在すると、体内で炎症が発生し、全身の症状が引き起こされます。
全身の症状が引き起こされる自己免疫疾患のことを膠原病と呼び、この抗核抗体は膠原病で特にでよく見られる指標の一つです。
抗核抗体は、全身性エリテマトーデス(SLE)、シェーグレン症候群、全身性強皮症、筋炎、混合性結合組織病(MCTD)などの膠原病でよく見られます。
抗核抗体については、長久手クリニックのこちらの記事もご参照くだされば幸いです>>抗核抗体
口や目の乾燥(ドライアイ・ドライマウス)を特徴とするシェーグレン症候群については、長久手クリニックのこちらの記事もご参照くだされば幸いです>>シェーグレン症候群 眼や口の渇きに注意|長久手クリニック
レイノー現象とは
レイノー現象は、寒さやストレスにより手足の血管が収縮し、血流が一時的に低下する現象です。
指先が白く(真っ白)なり、その後、紫や赤に変化します。一般的に人差し指や中指などの長い指で出やすいです。
夏場でしたらエアコンの効いた部屋に入ったり、洗い物によって引き起こされます。つらい冷え性の方の中にもいらっしゃるかもしれません。
レイノー現象は、原発性(単独で発生するもの)と続発性(他の疾患に伴って発生するもの)の2種類に分類されます。
続発性は抗核抗体陽性の方に多く見られます。
したがって、レイノー現象を認めた方は、膠原病の可能性がありますので、お気軽に受診をご検討下さい。
膠原病とは
膠原病は、主に結合組織に影響を及ぼす自己免疫疾患の総称で、たくさんの種類の病気を含みます。
全身性エリテマトーデス(SLE)やシェーグレン症候群が膠原病の代表であり、名前の通り全身に症状が起こる可能性があります。
膠原病の特徴は、単一の臓器にとどまらず、複数の臓器を侵す点にあります。
複数の臓器を侵す病気があるという概念は1942年、アメリカの病理学者クレインペラーにより提唱された比較的新しい考えです。
膠原病が全身の臓器が攻撃される自己免疫疾患の一方、単一の臓器が攻撃される自己免疫疾患もあります。
単一の臓器が攻撃される自己免疫疾患の代表例は、甲状腺のみを攻撃する抗体をもつバセドウ病や膵臓のみを攻撃する抗体をもつ1型糖尿病があります。
膠原病の分類
膠原病は以下の4つのグループに分けて考えるとわかりやすいです:
- 関節リウマチと似た疾患群:関節リウマチ、リウマチ性多発筋痛症など。特徴は関節や全身の痛みです。
- 抗核抗体関連膠原病:全身性エリテマトーデス、全身性強皮症、シェーグレン症候群、混合性結合組織病など。これらの疾患では抗核抗体陽性やレイノー現象が特徴です。
- 血管炎:ANCA関連血管炎、結節性多発動脈炎、大動脈炎症候群など。全身性炎症や血管の途絶による症状がみられます。
- 広義の自己炎症性疾患:ベーチェット病や成人スティル病など。自然免疫系の異常による過剰な炎症が特徴です。
全身性エリテマトーデス(SLE)とは
SLEは全身の臓器に影響を及ぼす自己免疫疾患(=膠原病)です。
関節痛、皮疹、発熱、疲労感など、多岐にわたる症状を伴います。また、腎炎・腸炎など重篤な臓器障害を引き起こすことがあります。
早期に診断をすることで、臓器障害を防ぎましょう。
SLEに関係する抗核抗体の中身は以下のものがあります。
・抗Sm抗体:SLEの診断に重要で、他の疾患ではあまり見られません。
・抗U1-RNP抗体:SLE、混合性結合組織病(MCTD)や全身性強皮症に関連します。
・抗SS-A/Ro抗体・抗SS-B/La抗体:シェーグレン症候群が有名ですが、SLEでも見られます。
抗核抗体陽性とレイノー現象、SLEの関係
レイノー現象は、抗核抗体やSLEなどの膠原病と関連性が高いです。
レイノー現象の基礎疾患を検査することは、膠原病の早期発見につながる可能性があります。
専門的な治療が必要な膠原病と診断した際には、迅速に愛知医科大学病院 腎臓・リウマチ膠原病内科などの高度医療機関へご紹介をさせていただきます。
長久手クリニックでは、膠原病や抗核抗体に関する検査・診断を行い、臓器の障害が起こる前に、治療につなげたいと考えています。
レイノー現象の診断と検査方法
血液検査で抗核抗体を確認します。
必要に応じて詳細な血液検査・尿検査・画像検査を行います。
レイノー現象への治療法
血管拡張薬や日常生活の対処法を行いながら、レイノー現象の基礎疾患に応じて血管拡張薬や免疫抑制薬を使用します。
日常生活での対処法
・寒冷からの保護:手袋や温かい衣類を着用しましょう。・温かい飲み物を飲みましょう:全身を内側から温めましょう。
・ストレス管理:リラクゼーションや運動を取り入れてください。
まとめ
レイノー現象に対する精密検査は、膠原病の早期発見につながります。
全身性エリテマトーデス(SLE)やシェーグレン症候群などの膠原病の早期診断と治療は生活の質を向上させます。
長久手クリニックでは、膠原病や抗核抗体に関する検査・診断を行い、臓器の障害が起こる前に、治療につなげたいと考えています。
お困りの際はお気軽に長久手クリニックにご相談ください。
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