長久手クリニック|内科・腎臓内科・リウマチ科・歯科|愛知県長久手市

愛知県長久手イオンそばの内科・腎臓内科・リウマチ科・歯科・膠原病と痛風専門外来、CT精密検査(呼吸器内科領域)。内科は予約優先制、歯科・発熱外来は完全予約制。旧:長久手ファミリー歯科。

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痛風の激痛、正体は「結晶」でした。エコーで寄り添う長久手の長期治療

痛風で結晶沈着を可視化する 関節エコー(超音波)長久手クリニック膠原病ブログ用.pptx

「風が吹くだけでも痛い」と言われる痛風。ある日突然、足の親指の付け根などが赤く腫れ上がり、激痛に襲われることがあります。

「痛み止めを飲んで痛みが治まったから、もう大丈夫」と思っていませんか?
実は、痛みが引いても痛風の「正体」は体の中に残ったままなのです。

今回は、当院のスライド資料を使って、痛風の正体と長期的な治療が必要な理由、そして切っても切り離せない「メタボ」との関係について解説します。

1. 痛風の正体は、関節に刺さる「ガラスの破片」

痛風発作のあの激痛、原因は何だと思いますか?
正体は、血液中に溶けきれなくなった尿酸が固まってできた「尿酸結晶」です。

痛風の正体は結晶:関節の中で鋭く尖ったガラスの破片が暴れている状態

手術などで関節の中を見ると、まるで「白い粉」のようなものがびっしりと溜まっていることがあります。これを拡大すると、鋭く尖った針、まるで「ガラスの破片」のような形状をしています。

これが関節の中で暴れまわることで、あの耐え難い激痛が引き起こされるのです。イメージするだけでも痛いですよね…。

2. 検査で見える!「結晶」と「全身からのSOS」

「尿酸値が高い」と言われても、実際に体の中で何が起きているのかイメージしづらいかもしれません。当院では、エコー(超音波)やCTを使って、痛風の状態を「可視化(目に見える形に)」しています。

関節エコー(超音波)で結晶を見る

関節エコー画像:骨の表面に尿酸の結晶が溜まっている様子

関節エコーを当てると、骨の表面に尿酸の結晶が溜まっている様子(黄色く囲った部分)が見えることがあります。また、炎症によって水が溜まっている様子も確認できます。レントゲンには写らないこうした変化も、エコーなら捉えることができます。

CTで腎臓の結石を見る

CT画像:腎臓に結石がある様子。足の激痛は全身からのSOS

痛風は足だけの病気ではありません。「足の激痛は、全身からのSOS」です。
血液中の余分な尿酸は、関節だけでなく腎臓にも溜まり、「腎結石(尿路結石)」を作ることがあります。

腎臓は一度悪くなると回復が難しい臓器です。腎臓を守るためにも、痛風の治療は非常に重要です。

3. 治療のゴールは「コップの底の塩」を溶かすこと

「痛みが取れたから治療終了」ではありません。痛風治療の本当の戦いはここからです。

治療の目標値は尿酸値6.0未満。コップの塩が溶けるように1〜2年かかります

目標値は尿酸値 6.0mg/dL 未満

治療のイメージは、「コップの底に溜まった塩(結晶)を溶かす」作業です。
水に対して塩が多すぎると、溶けきれずに底に溜まりますよね? これが痛風の状態です。

薬を使って血液中の尿酸値を6.0未満にキープすることで、少しずつ、本当に少しずつ、関節にこびりついた結晶が溶け出していきます。

1〜2年かかる「長期戦」です

溜まってしまった結晶が完全に溶けてなくなるまでには、1〜2年という長い時間がかかります。
焦らず、じっくりと薬を飲み続け、尿酸値をコントロールしていくことが、二度とあの激痛を繰り返さないための唯一の道です。

4. 痛風の背景にあるときがある「メタボ」と食事制限の重要性

最後に、とても大切な食事の話をしましょう。

痛風の患者さんのなかには、尿酸値が高いだけでなく、以下のような症状も合わせ持っていることが多いです。

・高脂血症(LDLコレステロールが高い、中性脂肪が高い)
・高血圧症
・高血糖

これらは別々の病気のように見えますが、実は根っこは同じ。「メタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)」が根本原因にあります。

美味しいものを食べすぎたり、飲みすぎたりしてカロリーオーバーの状態が続くと、内臓脂肪が蓄積し、尿酸値だけでなく、血圧やコレステロール値も一緒に押し上げてしまいます。
つまり、痛風は氷山の一角で、その下にはメタボという大きな土台が隠れているのです。

基本は「カロリー制限」です

「プリン体」を気にしてビールを控える方も多いですが、それ以上に大切なのが「総カロリーの制限」です。

体重を適正に保ち、内臓脂肪を減らすことは、尿酸値を下げるだけでなく、高脂血症や高血圧の改善にも直結します。
特定の食品だけを避けるのではなく、「食べ過ぎない」「バランスよく食べる」という、当たり前ですが最も重要な基本に立ち返ることが、痛風治療の近道であり、全身の健康を守ることにつながります。

まとめ

痛風は単なる足の痛みではなく、体の中に「ガラスの破片」のような結晶が溜まり、腎臓などの臓器も蝕んでいく全身病です。
また、その背景には高脂血症や高血圧と同じく「過剰なカロリー摂取(メタボ)」が隠れています。

しかし、適切な治療と食事の見直しを継続すれば、結晶を溶かし、健康な状態を取り戻すことができます。
長久手クリニックでは、患者さんのライフスタイルに合わせた治療計画を一緒に考えます。尿酸値が気になる方、痛風発作を繰り返している方は、ぜひ一度ご相談ください。

 

長久手クリニック 内科・腎臓内科・リウマチ科

浅井 昭雅(あさい あきまさ) 浅井 奈央(あさい なお)
・日本リウマチ学会認定リウマチ専門医・指導医
・日本腎臓学会認定腎臓専門医

〒480-1111 愛知県長久手市山越115番地
駐車場完備(日進・みよし・尾張旭・瀬戸方面からもアクセス便利です)

2025年12月01日 00:00

医療法人雅会 長久手クリニック

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内科/TEL:0561-59-1210

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