マンジャロ使用中の食事と水分摂取|糖尿病治療と肥満治療の注意点|長久手クリニック
マンジャロは、食欲を抑える効果があるため、体重減少や血糖コントロールに有効です。一方で、食欲が落ちることで筋肉量や水分摂取量が減ってしまうリスクもあります。
限られた食欲で「どのようなものを食べたらいいのだろうか?」と悩まれる方も多いかと思います。
マンジャロを使用中の患者さんに知っていただきたい「食事と水分摂取の工夫」については、JAMA Internal Medicineの患者さん向けページでもわかりやすく説明されています。今回これをもとに、体重が落ちるときに筋肉や体力をなるべく守るという視点も加えてご紹介します。
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マンジャロで体重が落ちるとき、食事と運動は何のため?
マンジャロで体重が落ちるなら、食事や運動はもう必要ないのでしょうか?
そうではありません。食事と運動は、筋肉・栄養・水分・体力をなるべく守るためにも大切です。
マンジャロなどに使われている成分であるチルゼパチドを用いた、肥満または過体重の方を対象とする研究では、体重が減ったとき、脂肪だけではなく、筋肉などを含む脂肪以外の組織も一緒に減っていました。こうした脂肪以外の部分を「除脂肪量」といいますが、その減少がすべて筋肉の減少を意味するわけではありません。[2]
2026年のJAMAの解説でも、薬で体重が落ちるときの食事や運動には、栄養不足を防ぎ、体の組成や体力を保ち、胃腸症状を和らげる役割があることが示されています。[3]
限られた食事量の中で何を食べるかを考え、運動も取り入れていきましょう。
バランスの良い食事を心がけましょう
食欲が落ちているからといって、さらに食事を減らせばよいということではありません。食べられる量に合わせて、必要な栄養をなるべく取り入れることを意識してください。
目安の割合
お皿に盛る食品の組み合わせとして、次の割合を目安にすると考えやすくなります。
これはカロリーや栄養素そのものの割合ではなく、食品の組み合わせの目安です。
たんぱく質を意識して
筋肉量の減少をなるべく抑えるために、たんぱく質を意識して摂りましょう。魚・卵・豆腐などを、食べられる量に合わせて取り入れてください。
JAMA Internal Medicineの患者さん向け解説では、ある程度体を動かしている方の目安として、1日あたり体重1kgにつき1.0〜1.5g程度のたんぱく質が紹介されています。たとえば、体重60kgの方なら1日約60〜90gに相当します。[1]
たんぱく質20gの目安量
食品の種類や大きさ、製品によって含まれる量は異なります。上の例は、それぞれで約20gを摂る場合の目安で、すべてを1食で食べる必要はありません。
1食につき20g程度を意識し、1日の目安に合わせて調整すると、必要量を満たしやすくなります。
脂っこいもの・刺激物は控えめに
副作用として吐き気や胸やけが出やすくなる場合があります。揚げ物、香辛料、にんにくなどは体調に合わせて控えると安心です。
マンジャロがよく効いてくると、自然と脂っこいものを受け付けなくなることもあります。あまり難しく考えなくてもよいかもしれません。
一度にたくさん食べず、少量ずつに分けて食べることも、胃腸症状への対策になります。揚げるよりも、蒸す・焼くなどの調理方法を選ぶと、脂っこさを控えやすくなります。[1]
水分摂取の重要性
日本人は食事から多くの水分を摂っています。しかし、マンジャロを使い始めると食欲が落ち、食事由来の水分量も減少するため、脱水症状を起こしやすくなります。
飲み物の量が以前と同じでも、食事量が減ると、食事から入っていた水分も減ります。食べる量が少なくなったときには、水分も意識して補ってください。
ポイント
食物繊維も取り入れましょう
便秘の副作用が出ることもあるため、野菜・果物・海藻・豆類を意識して取り入れましょう。
食事量が減ると、食物繊維も不足しやすくなります。水分も意識して補ってください。
運動も継続的に
運動は「もっと痩せるため」だけではなく、体重減少中に筋肉や体力をなるべく保つために行います。たんぱく質を意識した食事と合わせて、筋肉を使う機会も残していきましょう。
スクワットや腹筋なども一例ですが、関節の痛みや腫れがある方は、無理に行う必要はありません。どの動きなら負担が少ないか、主治医と相談しながら内容を調整してください。
無理のない範囲で続けることが大切です。
まとめ
マンジャロを安全に効果的に使うためには、
が重要です。
体重が落ちるときは、筋肉・栄養・水分・体力をなるべく守ることも考えていきましょう。
心不全や腎臓病のある方は、たんぱく質や水分の量について主治医の意見を聞いてくださいね。
[1]Mehrtash F, Dushay J, Manson JE. I Am Taking a GLP-1 Weight-Loss Medication—What Should I Know? JAMA Intern Med. 2025;185(9):1180.
doi:10.1001/jamainternmed.2025.1133
[2]Look M, Dunn JP, Kushner RF, et al. Body composition changes during weight reduction with tirzepatide in the SURMOUNT-1 study of adults with obesity or overweight. Diabetes Obes Metab. 2025;27(5):2720-2729.
doi:10.1111/dom.16275
[3]Kushner RF, Chao AM, Wadden TA. Lifestyle Modification and Incretin-Based Therapy for Obesity. JAMA. 2026;335(24):2160-2161.
doi:10.1001/jama.2026.4106
補足:同著者による応答(2026年9月23日公開)。doi:10.1001/jama.2026.14700
医師 浅井 昭雅




