マンジャロ使用中の食事と水分摂取|糖尿病治療と肥満治療の注意点|長久手クリニック

糖尿病(保険適応あり)や肥満症(保険適応なく自費診療)に用いられる マンジャロ(チルゼパチド) は、食欲を抑える効果があるため、体重減少や血糖コントロールに有効です。
一方で、食欲が落ちることで 筋肉量や水分摂取量が減ってしまうリスク もあります。
限られた食欲で「どのようなものを食べたらいいのだろうか?」と悩まれる方も多いかと思います。
マンジャロを使用中の患者さんに知っていただきたい「食事と水分摂取の工夫」については、JAMA Internal Medicine(いわゆる世界六大医学雑誌の一つ) の患者さん向けページで、GLP-1受容体作動薬がどのように作用するか、そして使用中にどのような生活行動を心がけるべきかがわかりやすく説明されました。
今回これをもとにご紹介します。
バランスの良い食事を心がけましょう
・極端なカロリー制限は脱水、疲労、腎機能の悪化につながる可能性があります。・たんぱく質・炭水化物・ビタミン・ミネラルをバランスよく取り入れましょう。
目安の割合
・ビタミン・ミネラル(野菜・果物など):50%・たんぱく質(魚・卵・豆腐など):25%
・炭水化物(ごはん、オートミールなど消化の遅いもの):25%
たんぱく質をしっかりと
マンジャロを使用している方は、筋肉量の減少を予防するために 体重1kgあたり1.0〜1.5gのたんぱく質 を摂ることが推奨されています。
たとえば、体重60kgの方なら1日約60gのたんぱく質が必要です。
たんぱく質20gの目安量
・ゆで卵 約3個・豆腐(150gパック) 2個
・魚(あじ・さけなど中サイズ) 1匹
1食につき20g程度を意識して摂ると、1日の必要量を満たしやすくなります。
脂っこいもの・刺激物は控えめに
副作用として吐き気や胸やけが出やすくなる場合があります。
揚げ物、香辛料、にんにくなどは体調に合わせて控えると安心です。
水分摂取の重要性
日本人は食事から多くの水分を摂っています。
しかし、マンジャロを使い始めると食欲が落ち、食事由来の水分量も減少するため、脱水症状を起こしやすくなります。
ポイント
・1日2〜3Lを目安に水分を摂りましょう。・水やお茶がおすすめです。
・アルコールや糖分の多い清涼飲料は控えめに。
食物繊維をしっかりと
便秘の副作用が出ることもあるため、野菜・果物・海藻・豆類を意識して取り入れましょう。
運動も継続的に
・有酸素運動:早歩きなど1日10分から開始。・筋力トレーニング:スクワットや腹筋を週2〜3回。
無理のない範囲で続けることが大切です。
まとめ
マンジャロを安全に効果的に使うためには、
・栄養バランスの取れた食事・意識した水分補給
・十分なたんぱく質摂取
・適度な運動
が重要です。
参考文献:I Am Taking a GLP-1 Weight-Loss Medication—What Should I Know? JAMA Intern Med. 2025 Jul 14. doi:10.1001/jamainternmed.2025.1133. PMID: 40658429.
>>糖尿病と診断され、保険診療をご希望の方はこちらからご予約ください<<
>>糖尿病未診断でBMI25以上の方で、自費マンジャロをご希望の方は、こちらからご予約ください<<
長久手クリニック 内科・腎臓内科・リウマチ科
医師 浅井 昭雅