関節リウマチ・膠原病と食事や運動など日常生活について 長久手クリニック

関節リウマチと膠原病の日常生活について
今回は、関節リウマチをはじめとする自己免疫疾患の食事・運動・マインドフルネスの3つを中心に、日常生活で心がけたいポイントをお伝えします。
関節リウマチとは
関節リウマチは、自己免疫疾患の一つです。免疫システムが誤って自分の関節を攻撃してしまうため、痛みや腫れ、変形などの症状が現れます。近年は治療法が進歩し、早期診断・早期治療によって症状のコントロールがしやすくなっています。
自己免疫疾患の特徴
関節リウマチを含む自己免疫疾患は、免疫の働きが過剰になったり、方向性が乱れたりすることで起こります。身体の様々な臓器や組織に影響が及ぶことがあり、倦怠感、発疹、関節痛などが代表的な症状です。
食事のポイント
バランスの良い食事は、症状コントロールの助けになります。特に以下の栄養素が注目されています。
- オメガ3脂肪酸:青魚(サバ・イワシ・サーモンなど)やエゴマ油、亜麻仁油に含まれ、抗炎症作用が期待されます。
- ビタミンD・カルシウム:骨の健康や免疫バランスに寄与。魚、きのこ、乳製品などで補給します。
- 野菜・果物:抗酸化作用のあるビタミンやミネラルを豊富に含むため、彩り豊かな食材を取り入れましょう。
- 塩分・糖分の適度な制限:高血圧や肥満は症状を悪化させるリスクになるため、濃い味付けや甘いお菓子は控えめに。
適度な運動の大切さ
適度な運動は、免疫機能を整え、関節や筋肉の状態を良好に保つのに役立ちます。痛みがある場合でも、主治医に相談しつつ無理のない範囲で行いましょう。
- ウォーキングや軽めのストレッチ、水中運動など、関節への負担を抑えた方法が取り組みやすいです。
- 筋力トレーニングは、軽い負荷から始めると安全です。
- 長時間同じ姿勢を避け、こまめに身体を動かす心がけも大切です。
マインドフルネスの効果
ストレスは自己免疫疾患の症状を悪化させる大きな要因と考えられています。マインドフルネスとは、呼吸や身体感覚に意識を向け、今この瞬間をありのままに受けとめるリラクゼーション法です。以下の効果が期待されます。
- ストレスの軽減
- 痛みや不安の緩和
- リラクセーションによる免疫バランスの安定
難しく考えず、1日5分程度、呼吸に意識を向ける時間から始めると、気持ちが落ち着きやすくなります。
まとめ
関節リウマチや自己免疫疾患は、薬物療法や定期受診とあわせて、生活習慣の工夫も大切です。バランスの良い食事、無理のない運動、そしてマインドフルネスによるストレスケアを取り入れて、症状コントロールに役立ててみてください。
症状や治療方針について不安がある場合は、どうぞ遠慮なくご相談ください。長久手クリニックでは、患者さん一人ひとりに寄り添い、状態に合わせたサポートを行っております。
参考文献・ガイドライン
- American College of Rheumatology (ACR): Guidelines for the Management of Rheumatoid Arthritis
- European League Against Rheumatism (EULAR): Recommendations for the management of rheumatoid arthritis
- 日本リウマチ学会「リウマチ情報センター」 https://www.ryumachi-jp.com/