脂肪性の肝疾患(脂肪肝)|お酒を飲まない方に増えています|長久手クリニック

脂肪性肝疾患(MASLD)について
こんにちは、長久手クリニックです。今回は、近年名前が変わったことで話題となっている脂肪性肝疾患(MASLD)についてご紹介いたします。
疾患名の変更
わが国では、肝がんや肝硬変(肝臓が慢性的なダメージを受けて硬くなること)の原因として、飲酒に関連しない生活習慣の乱れが原因とされる脂肪肝の割合が増加しています。これまでは飲酒に関連しないことから「非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)」と呼ばれていましたが、近年、「alcoholic(アルコール依存症)」や「fatty(肥満者)」のような差別的表現を避ける目的で、「代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(Metabolic dysfunction-associated steatotic liver disease:MASLD)」と名称が変更されました。
診断・検査
肝臓に脂肪が蓄積していることに加え、過体重、糖尿病、高血圧症、脂質異常症などがある患者さんの場合は、飲酒量の違いによってMASLDまたはMetALD(代謝機能障害アルコール関連肝疾患)と診断されます。
長久手クリニックではCT検査で肝臓に脂肪がついている様子を判定します。
さらに、血液検査や画像検査によって肝硬変やそれに近い状態の場合には、食道静脈瘤や肝細胞がんの検査を愛知医科大学病院など高次医療機関へ依頼することになります。
脂肪性肝疾患の新しい名称
肝臓に脂肪蓄積、肥満・過体重、2型糖尿病、高血圧症、脂質異常症がある場合、
飲酒量の違いによって下記のように診断されます。
- 無~少量飲酒
男性:アルコール210g/週未満(ビール750mL/日未満)
女性:アルコール140g/週未満(ビール500mL/日未満)
→ MASLD(代謝機能障害関連脂肪性肝疾患) - 中等度飲酒
男性:アルコール210~420g/週(ビール750~1,500mL/日)
女性:アルコール140~350g/週(ビール500~1,250mL/日)
→ MetALD(代謝機能障害アルコール関連肝疾患)
治療
生活習慣の改善と関連する疾患の管理
MASLDは心血管疾患のリスクを高めるなど、全身の健康にも深く関連しているため注意が必要です。治療にはまず生活習慣の改善が重要であり、過体重の場合にはカロリー制限やフルクトース(*1)の摂取制限を含む食事療法や、有酸素運動・レジスタンス運動(*2)を行うことで、現在の体重から5~10%の体重減少を目指します。
また、糖尿病や高血圧症、脂質異常症の適切な管理も不可欠です。
運動が基本ではありますが、お薬でのサポートを希望される方には下記のお薬を処方することがあります。
・中性脂肪が関与している場合は中性脂肪を下げるパルモディアというお薬を処方しております。
・慢性腎臓病や糖尿病がある場合には、痩せる効果もあるSGLT2阻害薬であるフォシーガやジャディアンというお薬を処方しております。
・BMI25以上の方には、防風通聖散という漢方薬を処方しております。
*1:糖の一種である果糖。果物や蜂蜜、砂糖などに含まれています。
*2:標的とする筋肉に集中して負荷をかける動作を繰り返す運動のこと。スクワット、腕立て伏せ、ダンベル体操などが代表例です。
本記事は「日本医師会健康プラザNo.586」を参考にして作成しました。
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