隠れ貧血とは、「潜在性鉄欠乏症」「非貧血性低フェリチン血症」とも呼ばれ、ヘモグロビン（Hb）は正常であるものの、体内の鉄が不足している状態です。この状態では、体内の貯蔵鉄の量を反映するフェリチン値が低下します。
長久手クリニックでは積極的にこのフェリチンを測定することにより発見に努めています。

通常、貧血はHbが成人男性で13 g/dL以下、成人女性で12 g/dL以下で診断されます。貧血に関してはこちらをご参照下さい＞＞貧血について
しかし、隠れ貧血ではHbが正常範囲内にあっても、貯蔵鉄が減少すると疲労感や倦怠感などの症状が出やすくなります。
鉄が不足すると、まず「貯蔵鉄の減少（フェリチンの低下）→血清鉄の減少→貧血（Hbの低下）」という順序で進行します。そのため、フェリチンが低下している場合には早めの対応が重要です。

隠れ貧血の主な原因は以下が考えられています。
・食事での鉄分不足
・慢性的な出血（女性では生理が主な原因）
・成長期や妊娠など、体が多くの鉄を必要とする時期

隠れ貧血の症状には、以下のものがあります。
・疲労感や集中力の低下
・息切れや動悸
・肌の乾燥、爪のもろさ
鉄は、赤血球の構成成分としてだけでなく、筋肉の成分やエネルギー生成、神経伝達にも関わる重要な役割を担っています。
筋肉に存在するミオグロビンの成分としても機能し、鉄が不足すると筋力低下や疲労感が現れます。
これにより、“貧血(≒ヘモグロビン（Hb）の低下)”がなくとも、フェリチンが低下しているだけでも全身倦怠感や精神症状が起こり得ます。

隠れ貧血を予防・改善するために、次のことに注意しましょう：
・鉄分を多く含む食品（レバー、ほうれん草、赤身肉など）を意識して摂取する
・ビタミンCと一緒に鉄分を摂取し、吸収率を上げる
・鉄分サプリメントや鉄剤の処方を併用する
早めに気づき、適切な食生活や鉄剤の投与を受けることで、隠れ貧血の改善が可能です。
お気軽に受診をどうぞ。

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長久手クリニック 内科・腎臓内科・リウマチ科
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