中学生・高校生の学校検尿で再検査と言われた方へ|尿蛋白・尿潜血の確認|長久手クリニック
中学生・高校生の学校検尿で再検査・精密検査になった方へ
中学生・高校生の学校検尿で尿蛋白や尿潜血を指摘されると、本人も保護者の方も不安になると思います。
ただ、学校検尿で異常を指摘されても、すぐに大きな病気と決まるわけではありません。成長期では、運動の後、体調が悪かった時、発熱後、尿を取った時間帯などの影響で、一時的に尿蛋白や尿潜血が出ることがあります。
長久手クリニック 腎臓内科では、中学生・高校生の学校検尿異常について、学校生活への負担をできるだけ少なくしながら、必要な確認はきちんと行う方針で診療しています。
※小学生・幼児の学校検尿異常は、当院では対象外です。小児科または小児腎臓を扱う医療機関へご相談ください。
受診当日は、食事を普段どおり取って来院して大丈夫です
学校検尿の受診では、食事を抜いてくる必要はありません。
普段どおり朝食や昼食を取って来院して大丈夫です。
学校から渡された検尿の結果用紙や、再検査・精密検査の案内があれば、当日お持ちください。尿蛋白を指摘されたのか、尿潜血を指摘されたのか、両方なのかによって、確認する内容が少し変わります。
当日はまず、尿検査と血圧測定を行います
その日の尿で、尿蛋白や尿潜血が出ているかを確認します。
腎臓の病気では、尿の異常だけでなく血圧の変化が手がかりになることがあります。
当日の尿検査、血圧、症状の有無、学校検尿の内容を合わせて、今後の確認方法を決めます。
尿蛋白の量や腎機能など、当日だけでは判断しにくい部分を確認します。
学校検尿で異常があっても、当日の尿では異常が目立たないこともあります。逆に、当日も同じように尿蛋白や尿潜血が出ていることもあります。
そのため、当日の結果だけで決めつけず、学校検尿の内容や症状も合わせて整理します。
こうした点を確認しながら、必要な検査を考えていきます。
採血は、必要な場合にご相談します
学校検尿で来院された方全員に、一律で採血を行うわけではありません。
まずは、当日の尿検査、血圧、症状の有無、学校検尿で指摘された内容を確認します。そのうえで、尿蛋白が続いている場合、尿蛋白と尿潜血が両方ある場合、血圧が高い場合、むくみや体調不良がある場合などには、採血を含めた確認をご相談します。
愛知県学校検尿マニュアルでも、血尿や蛋白尿の精密検査では、尿検査を基本にしながら、必要時に血液検査を行う流れになっています。また、結果によっては小児腎臓病専門施設への紹介が必要になる場合があります。
当院では、腎機能を確認した方がよい場合に、通常の採血や、状況に応じて指先からの少量採血によるシスタチンC測定を提案することがあります。シスタチンCは、腎臓の働きをみるための検査の一つです。
採血をするかどうかは、「学校検尿で引っかかったから全員」というより、尿蛋白の量、尿潜血の有無、血圧、症状、学校検尿の結果を合わせて判断します。
詳しい尿検査と早朝尿の確認
詳しい尿検査は外部検査機関で確認します
当日の尿の試験紙検査だけでは、尿蛋白の量や尿の中の成分を十分に判断できないことがあります。
そのため、必要に応じて、詳しい尿検査を外部検査機関に提出します。
外部検査では、尿蛋白がどのくらい出ているか、腎臓への負担を疑う所見がないかなどを確認します。
結果が出るまで少し時間がかかるため、外部検査の結果は原則1週間後を目安に、デジスマでお知らせします。
結果の内容によっては、尿の再提出、本人の再診、保護者の方へのご連絡など、次の確認方法をご相談します。
初回に早朝尿用の検尿カップを2セットお渡しします
学校検尿では、朝起きてすぐの尿を確認することがとても大切です。
日中に動いた後の尿では蛋白が出ても、朝起きてすぐの尿では出ないことがあります。これを確認するために、初回受診時に早朝尿用の検尿カップを2セットお渡しします。
学校を休む時間をできるだけ少なくしながら、必要な確認を進めるためです。
ただし、血圧測定、診察、採血などが必要な場合には、あらためて本人の受診をお願いすることがあります。
尿蛋白・尿潜血の結果ごとの考え方
尿蛋白だけを指摘された場合
尿蛋白だけを指摘された場合は、まず早朝尿で再確認することが大切です。
中学生・高校生では、日中の活動後に尿蛋白が出ても、朝起きてすぐの尿では蛋白が出なくなることがあります。このような場合、体位性蛋白尿のことがあります。
体位性蛋白尿は、立って活動している時間帯に尿蛋白が出やすくなるもので、成長期に見られることがあります。必ず腎臓の病気という意味ではありません。
一方で、早朝尿でも尿蛋白が続く場合、尿蛋白の量が多い場合、血圧が高い場合などは、詳しい尿検査や採血で確認します。
尿蛋白は、腎臓からのサインとして大切です。一度だけで判断しすぎず、早朝尿で確認することがポイントになります。
尿潜血だけを指摘された場合
尿潜血だけを指摘された場合は、尿沈渣で赤血球の数を確認します。
尿の試験紙で潜血が陽性と出ても、実際に尿の中に赤血球がどのくらいあるかを確認することが大切です。これを尿沈渣といいます。
尿蛋白がなく、血圧や腎機能にも大きな問題がなければ、経過観察となることもあります。
ただし、尿潜血が繰り返し続く場合、尿蛋白を伴う場合、症状がある場合には、追加の確認が必要になることがあります。
尿潜血だけの場合も、「何もしなくてよい」と決めつけるのではなく、赤血球の数や経過を見ながら判断します。
尿蛋白と尿潜血の両方を指摘された場合
尿蛋白と尿潜血の両方を指摘された場合は、より丁寧に確認します。
尿蛋白だけ、尿潜血だけの場合と比べて、腎臓の病気が隠れていないかを確認する必要が出てくるためです。
この場合は、採血や詳しい尿検査を追加し、尿蛋白の量、腎機能、血圧、むくみ、体調の変化などを合わせて判断します。
結果によっては、愛知医科大学病院など高次医療機関への相談・紹介を検討します。
ただし、尿蛋白と尿潜血の両方があるからといって、その場で病名が確定するわけではありません。必要な確認を順番に行い、今後どこまで調べる必要があるかを判断します。
できるだけ学校を休む時間を少なくしながら、必要な確認を行います
学校検尿の再検査・精密検査では、本人の学校生活との調整も大切です。
長久手クリニックでは、学校を休む時間をできるだけ少なくしながら、必要な確認はきちんと行う方針です。
初回受診で尿検査、血圧、診察を行い、詳しい尿検査を外部検査機関へ提出します。その結果は、原則1週間後を目安にデジスマでお知らせします。
再確認が必要な場合には、朝起きてすぐの尿を後日持参していただきます。尿の提出だけで済む場合もありますが、結果によっては本人の再診が必要になることがあります。
学校を休む時間をできるだけ少なくするため、尿の再確認だけで足りる場面では、保護者の方に尿を持参いただけることがあります。
一方で、血圧、診察、採血、症状の確認、詳しい説明が必要な場合には、本人の受診をお願いしています。
当院での考え方
当院での学校検尿異常への対応は、公益財団法人 愛知腎臓財団 慢性腎臓病対策協議会 小児CKD対策専門部会の「愛知県学校検尿マニュアル 第4版」および「検尿異常早見表」を参考にしています。
学校検尿で見つかる尿蛋白や尿潜血は、すぐに病気と決めつけるものではありません。
ただし、早朝尿でも尿蛋白が続く場合、尿蛋白と尿潜血が両方ある場合、血圧が高い場合などは、見逃さずに確認した方がよい所見です。
そのため、当日の尿検査だけで判断せず、必要に応じて早朝尿、詳しい尿検査、血圧、腎機能を組み合わせて確認します。
まとめ
中学生・高校生の学校検尿で再検査・精密検査を勧められても、すぐに大きな病気と決まるわけではありません。
大切なのは、尿蛋白なのか、尿潜血なのか、両方なのかを整理し、早朝尿や詳しい尿検査で必要な確認を行うことです。
長久手クリニック 腎臓内科では、学校生活への負担をできるだけ少なくしながら、本人と保護者の方が流れを理解しやすい形で診療を進めます。
受診当日は、食事を普段どおり取って来院して大丈夫です。採血は全員一律ではなく、尿所見、血圧、症状などを見て必要な場合にご相談します。



