学校検尿の異常 長久手クリニック
長久手クリニック 医師の浅井奈央です。
3歳児検診から始まり尿検査は皆様にとって身近なものかと思います。
今回は「学校検尿で再検査、精密検査となった場合」についてお話させていただきます。
学校で検尿を行い尿潜血と尿蛋白を測定します。
どちらか一方でも1+以上であった場合は再検査となります。
2次検尿でも同様に尿潜血・尿蛋白を測定し1+以上であった場合に精密検査となります。
◎採尿時の注意事項
尿を取る前に大量のビタミンCをとると潜血が陰性になってしまうのでビタミンCの大量摂取は控えるようにしましょう。
前日の夜は排尿後すぐに就寝し起きたらすぐに採尿してください(早朝第一尿)。
採尿時の最初の尿はとらず、途中の尿をとってください。最後の尿もとらないようにしてください。
検尿前日の夜間に及ぶ激しい運動は控えましょう。
月経時は検尿を延期したほうが良いです。
精密検査では問診、診察、身体所見(血圧・身長・体重)、検尿(早朝尿が望ましい)、血液検査(必要時)を行います。
問診では下記のようなことが大切です。
①既往歴:以前にも尿異常があったか、病巣がはっきりしない発熱を繰り返していないか、発熱・発疹・紫斑・関節痛・腹痛などないか
②家族歴:腎疾患、高血圧、腎結石、両親の血尿、難聴、膠原病、糖尿病
③採尿時の状況:朝一番の尿か、検尿時の感冒、運動、月経、目で見て血尿があったかどうか
④浮腫みの自覚、多飲・多尿、頻尿、疼痛
⑤成長障害
⑥その他 関節痛、皮疹、発熱など
検査では尿検査を再度行います。一般的な尿定性だけでなく、沈渣・尿蛋白/尿Cr比、尿β2ミクログロブリン/尿クレアチニン比など
必要に応じて血液検査(アルブミン、クレアチニン、補体など)を実施します。
蛋白尿のみ、血尿のみ、蛋白尿・血尿ともに陽性とで、それぞれ想定される疾患が異なるため追加検査を行い必要があれば小児腎臓病専門施設へご紹介します。
中高生に最も多いのは体位性蛋白尿です。体位性蛋白尿は早朝尿では蛋白尿がでないのですが体動時や運動後などに蛋白尿が陽性となります。
体位性蛋白尿は経過観察可能ですので、まずは体位性蛋白尿を否定することが大切です。
腎臓病の頻度は多くはありませんが早期に発見し腎機能低下を起こさないことが重要です。
そのためにも学校検尿は重要な役割を担っていると思います。
学校検尿で引っかかってしまった方はご相談くださいね。
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長久手クリニック 内科・腎臓内科・リウマチ科
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2024年08月01日 14:30