常染色体優性多発性嚢胞腎(ADPKD) 長久手クリニック
長久手クリニック 医師の浅井奈央です。
「常染色体優性多発性嚢胞腎ADPKD」についてお話させていただきます。
ADPKDは遺伝子疾患のなかで最も頻度が高く(約3000~7000人に1人)、年を重ねるとともに嚢胞が両腎に増加し、徐々に腎機能が低下する病気です。
嚢胞とは水の袋をイメージしてもらうと良いと思います。
その嚢胞が様々な大きさで生じ、腎臓だけでなく肝、膵、脾などにもみられることがあります。
多くはPKD1遺伝子、PKD2遺伝子が原因遺伝子とされ、その他の遺伝子変異でも発症することが報告されています。
遺伝性の病気ですので家族歴が大切になります。
ご両親、ご兄弟で多発性嚢胞腎といわれたことがある方は一度検査することをおすすめします。
症状は無症状のことが多く、中には腹痛、背部痛を自覚されることもあります。
またお腹がはった感じ、血尿などが症状として挙げられます。
検査方法は超音波(エコー)検査やCT検査での腎臓の形、嚢胞のようすを確認します。
また、合併症に脳動脈瘤や心臓弁膜症があり、MRIや腎臓超音波検査などを受けておくことも大切です。
治療法としてバゾプレシンV2受容体阻害薬(トルバプタン)があり、腎機能低下を抑制する効果が期待できます。
このお薬は利尿作用があり、おしっこをよく出すようにする作用があるのですが、通常の他の病気で使う量よりも多く内服する必要があるため入院で開始することが多いです。
当院では愛知医科大学病院などと連携して診療させていただくことが可能です。
また積極的に水分を取っていただくこと、血圧が高いようであれば血圧をコントロールすること、塩分には気をつけることなどはADPKDの治療でも大切です。
ADPKDは2015年に難病に指定されています。ただ、重症度や嚢胞の容積や増大スピードによる基準があります。
当院は難病指定医に登録しておりますので診察し申請させていただくことも可能です。
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特徴
女性医師・リウマチ専門医・腎臓専門医が在籍しております。
イオン長久手店直近。
2024年06月17日 14:17