庭仕事の翌朝、肩が痛くて起き上がれない?リウマチ性多発筋痛症(PMR)|長久手クリニック
「昨日、庭いじりを少し頑張っただけなのに、翌朝から肩と腰が痛くて起き上がれない」「風呂掃除をしたあとから、全身の筋肉痛のような痛みが続いている」「畑仕事の翌日から、太ももや腰がこわばって歩き出しにくい」。
外来では、このように「作業のあとに痛くなったので、最初は筋肉痛だと思っていた。しかしいくら時間がかかっても治らない、リハビリも効果がない、レントゲンでは問題ない。」という形で相談される方が少なくありません。
ただし、2週間以上たっても痛みが軽くならない、朝のこわばりが強い、両肩や太ももまで痛い、寝返りや起き上がりがつらい、CRPなど炎症の数値が高い場合には、リウマチ性多発筋痛症という病気を考えることがあります。
リウマチ性多発筋痛症は、とくに65歳以上の方に多い炎症性の病気です。長久手市、日進市、名古屋市名東区、藤が丘、本郷、上社、瀬戸市、尾張旭市周辺で、痛みが徐々に悪化し「今までできてきた楽しいことができなくなった方」、とくに炎症反応の「CRP」が高い方は、一度原因を確認しておくと安心です。
リウマチ性多発筋痛症は、肩、首、腰、太ももなど体の中心に近い部分に、強い痛みやこわばりを起こす炎症性疾患です。
患者さんの話を聞くと、「庭仕事のあと」「風呂掃除のあと」「農作業のあと」など、はっきりしたきっかけがあるように感じられることがあります。そのため、最初は筋肉痛と思われやすい病気です。
実際には、作業そのものが原因というより、体の中で始まっていた炎症が、作業後の痛みとして目立ってくることがあります。「筋痛症」という名前ですが、筋肉そのものが壊れる病気というより、肩や股関節の周囲、滑液包、腱の周囲などに炎症が起こり、痛みや動かしにくさが出る病気と考えられています。
リウマチ性多発筋痛症の特徴
関節リウマチのように関節が破壊されていく病気ではありませんが、初期には高齢発症の関節リウマチと見分けが難しいことがあります。そのため、症状、血液検査、画像検査、治療への反応を総合して判断します。
リウマチ性多発筋痛症では、「何かをした翌朝から急に痛い」という形で始まったように感じることがあります。とくに、庭いじり、草取り、風呂掃除、床掃除、農作業、重い物を持つ作業のあとに気づかれることがあります。
作業後の筋肉痛であれば、通常は日ごとに少しずつ軽くなります。一方でリウマチ性多発筋痛症では、朝のこわばりが強く、肩や腰、太ももなど体の中心に近い部分の痛みが続きます。
「作業のせい」と思い込まないことも大切です
リウマチ性多発筋痛症では、庭仕事や掃除などが発症の直接の原因とは限りません。もともと始まっていた炎症が、作業後の痛みとして目立つ形で気づかれることがあります。
「普段の筋肉痛と違う」「数日たっても軽くならない」「朝が特につらい」と感じる場合は、血液検査などで炎症の有無を確認します。
痛みの部位だけでなく、「作業後の筋肉痛として自然な経過か」「急に始まったか」「朝に強いか」「炎症反応が高いか」「他の病気が隠れていないか」を確認することが重要です。
リウマチ性多発筋痛症は、検査で確定できる病気ではありません。
他の病気を否定する「除外診断」も重要になります。
診断では、年齢、症状の出方、血液検査、画像検査、治療への反応を総合的に確認します。
CRPとは?
CRPは、体の中で炎症が起きているときに上がる血液検査の項目です。リウマチ性多発筋痛症ではCRPが上昇することがありますが、感染症やがん、他の膠原病でも上がることがあるため、数値だけでリウマチ性多発筋痛症と決めることはできません。
リウマチ性多発筋痛症に似た症状を起こす病気はいくつかあります。とくに高齢の方では、関節リウマチ、偽痛風、感染症、悪性腫瘍などとの区別が大切です。
| 病気 | リウマチ性多発筋痛症と似ている点 | 確認するポイント |
|---|---|---|
| 関節リウマチ | 肩や手の痛み、朝のこわばりが出ることがあります | 手指や手首の腫れ、RF、抗CCP抗体、関節エコーなどを確認します |
| 偽痛風 | 急に関節が痛くなり、炎症反応が上がることがあります | 膝、手首、肩などの結晶沈着をレントゲン、CT、エコーなどで確認します |
| 感染症 | 発熱、だるさ、CRP上昇を起こします | 肺炎、尿路感染症、胆道感染症などがないか確認します |
| 悪性腫瘍 | 体重減少、食欲低下、炎症反応上昇がみられることがあります | 症状や年齢に応じてCTなどで確認します |
ステロイドが効くからリウマチ性多発筋痛症とすぐに決めるのではなく、似た病気が隠れていないかを確認することが重要です。
治療への反応が乏しい場合や再発を繰り返す場合には、診断を見直すことがあります。
リウマチ性多発筋痛症では、巨細胞性動脈炎(側頭動脈炎)という血管の炎症を合併することがあります。これはこめかみ周辺の血管などに炎症が起こる病気で、視力障害につながることがあるため注意が必要です。
視力の低下や見え方の異常がある場合は、緊急性があります。
長久手クリニックでは、リウマチ性多発筋痛症が疑われる方に対して、症状の経過を詳しく確認したうえで、血液検査や画像検査を組み合わせて評価します。
リウマチ性多発筋痛症だけでなく、偽痛風、感染症、悪性腫瘍、関節リウマチなども考えながら検査を進めます。必要に応じて、より詳しい検査や専門治療が可能な医療機関へ紹介します。
リウマチ性多発筋痛症の治療では、主にステロイド薬を使用します。プレドニゾロンという飲み薬を使うことが多く、症状や炎症反応、年齢、持病、副作用リスクを見ながら量を調整します。
ステロイドの副作用にも注意します
ステロイドはリウマチ性多発筋痛症に有効なことが多い一方で、血糖上昇、血圧上昇、骨粗鬆症、感染症、胃の不調、むくみ、不眠などに注意が必要です。長久手クリニックでは、症状の改善だけでなく、副作用をできるだけ少なくすることも重視して経過を確認します。
治療の反応が悪い場合、再発を繰り返す場合、ステロイドを減らすと強いだるさが出る場合には、関節リウマチ、巨細胞性動脈炎、悪性腫瘍、副腎不全などを再評価します。
リウマチ性多発筋痛症は、50歳以上、とくに65歳以上の方に多く、肩や腰、太ももなどの急な痛み、朝のこわばり、発熱、だるさなどを起こす病気です。
治療で改善が期待できる病気ですが、関節リウマチ、偽痛風、感染症、悪性腫瘍、巨細胞性動脈炎などとの鑑別が重要です。とくに視力低下、強い頭痛、顎の痛みがある場合は、早めの対応が必要です。
このような方はご相談ください
長久手クリニック 内科・腎臓内科・リウマチ科
浅井 昭雅(あさい あきまさ)
医師、博士(医学)
日本リウマチ学会認定リウマチ専門医・指導医
日本腎臓学会認定腎臓専門医
浅井 奈央(あさい なお)
医師
日本腎臓学会認定腎臓専門医
日本透析医学会認定透析専門医
長久手クリニックは、イオンモール長久手そば、リニモ長久手古戦場駅近くにあります。長久手市を中心に、日進市、名古屋市名東区の藤が丘・本郷・上社方面、名古屋市守山区、瀬戸市、尾張旭市、東郷町、豊田市八草方面からもご相談いただいています。
関節リウマチ・膠原病やリウマチ性多発筋痛症は、症状の出方や検査結果の解釈が難しいことがあります。気軽に専門医の診断や治療を受けたい方、診断から治療まで継続して相談したい方は、身近な街のクリニックとしてご相談ください。



