リウマチ性多発筋痛症(PMR) 長久手クリニック
リウマチ性多発性筋痛症(PMR)
リウマチ性多発性筋痛症(PMR)は、
・50歳以上の方に(といっても実際ではもっとご高齢の方に多いです)
・主に肩や腰の筋肉に強い痛みとこわばりを引き起こす炎症性疾患です
・急に発症し、日常生活に支障をきたします
・診断のポイントは以下のとおりです。
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65歳以上に好発(特に女性)
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急性発症(発症年月日が言えるくらい)
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体幹部の朝のこわばりが45分以上
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四肢近位部の筋痛(上腕、大腿)
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ステロイドが著効する
主な症状
- 肩や腰の筋肉の痛み(筋肉痛):「首・肩・腰・脚の突然発症の痛み」「寝返りをうつと痛い」
- 朝のこわばり
- 発熱
- 倦怠感(だるさ)
- 体重減少
- 食欲低下
原因と関連疾患
原因と特徴
- リウマチ性多発筋痛症の正確な原因は不明ですが、自己免疫反応が関与しています。
- 関節リウマチとは異なり、「関節の破壊」は起こりません。
- リウマトイド因子(RF)や抗CCP抗体が異常を示さないため、関節リウマチと区別が難しい場合があります。特に高齢で発症する関節リウマチと初期症状が似ているため注意が必要です。
診断と治療の方針
- ステロイド治療への反応を見ながら、関節リウマチ“寄り”かリウマチ性多発筋痛症“寄り”かを判断します。
- また、偽痛風(ピロリン酸カルシウム結晶が関与)や腫瘍随伴症候群など、似た症状を引き起こす他の疾患も鑑別が必要です。
- 偽痛風はエコーやCT、レントゲンで結晶の有無を確認。
- 腫瘍随伴症候群ではCT検査で癌の有無を確認。
側頭動脈炎(巨細胞性動脈炎)の合併
- リウマチ性多発筋痛症の患者さんの10-20%が合併する可能性がある難病です。
- 症状:
- こめかみの痛み
- 噛むと顎が疲れる(顎跛行)
- 視力の低下
- 側頭動脈炎(巨細胞性動脈炎)が進行すると失明につながる可能性があります。
- 側頭動脈炎(巨細胞性動脈炎)が合併した場合は、大量のステロイド治療が必要となります。
- 側頭動脈炎(巨細胞性動脈炎)が合併していると判断した場合は、愛知医科大学病院などにご紹介をいたします。
診断
長久手クリニックでのリウマチ性多発性筋痛症(PMR)の診断は、主に以下の症状と検査で行っております:
・60歳以上の発症・特徴的な両側の肩および腰の筋肉の痛みの症状
・CRP(C反応性蛋白)の上昇
・関節エコーの特徴的な所見
・CTで関節に結晶の沈着(偽痛風など)・悪性腫瘍・肺炎などを認めない
・ステロイドで3日以内に改善する
治療法
リウマチ性多発性筋痛症(PMR)の治療には、主にステロイド薬が使用されます。
ステロイド(プレドニゾロン 15 mg/日など)が奏功します。ゆっくりと減量していきます。
急に中止するとリウマチ性多発性筋痛症(PMR)の再発が起きるので、1年半から2年程度かけて減量・中止を目指します。
しかし残念ながら、再発率が高いことが特徴です。ステロイドの副作用を最小限に抑えるため、定期的な外来受診が必要です。
治療の反応が悪いときには、関節リウマチではないのか?癌の合併がないか?側頭動脈炎(巨細胞性動脈炎)の合併がないか?ステロイドの減量に伴う副腎不全ではないか?...など治療方針を状態に応じて変更していきます。
多発性筋痛症(PMR)についてさらに詳しい情報が必要でしたらお気軽にご受診ください。
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