リウマチ性多発筋痛症(PMR) 長久手クリニック
リウマチ性多発性筋痛症(PMR)
リウマチ性多発性筋痛症(PMR)は、50歳以上の高齢者に多く見られる炎症性疾患で、主に肩や腰の筋肉に強い痛みとこわばりを引き起こします。
急に発症し、日常生活に支障をきたすことが多いです。
診断のポイントは以下のとおりです。
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65歳以上に好発(特に女性):2%以上
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急性発症(発症年月日が言えるくらい)
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体幹部の朝のこわばりが45分以上
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四肢近位部の筋痛(上腕、大腿)
主な症状
- 肩や腰の筋肉の痛み(筋肉痛) 「首・肩・腰・脚の突然発症の痛み」「寝返りをうつと痛い」
- 朝のこわばり
- 発熱
- 倦怠感
- 体重減少
- 食欲低下
原因と関連疾患
リウマチ性多発性筋痛症(PMR)の正確な原因は不明ですが、自己免疫反応が関与していると考えられています。
またリウマチ性多発性筋痛症(PMR)患者さんの約10-20%は側頭動脈炎(巨細胞性動脈炎)を合併することがあります。
関節リウマチと名前が似ていますが、関節リウマチと異なり「関節の破壊」が起こらないです。
また、関節リウマチの診断の指標の一つである採血のリウマトイド因子(RF)・抗CCP抗体が異常を示しません。
リウマトイド因子(RF)・抗CCP抗体が異常を示さない関節リウマチは高齢で発症することが多く、同じく高齢で発症するリウマチ性多発筋痛症の初期の区別は難しいです。
治療の反応を確認しながら、治療方針を関節リウマチ寄りにするのか、リウマチ性多発筋痛症寄りにするのか決めていきます。
ピロリン酸カルシウムという結晶が関節に沈着する“偽痛風”もリウマチ性多発筋痛症に似た症状を引き起こしますが、これはエコー・CT・レントゲンで結晶が写らないかで鑑別していきます。
見逃していけないことは、癌に付随した症状で似た症状が出ること(腫瘍随伴症候群)があるので、癌がないかCT検査を行います。
診断基準
長久手クリニックでのリウマチ性多発性筋痛症(PMR)の診断は、主に以下の症状と検査で行っております:
- 50歳以上の発症
- 特徴的な両側の肩および腰の筋肉の痛みの症状
- CRP(C反応性蛋白)の上昇
- 関節エコーの特徴的な所見
- CTで関節に結晶の沈着(偽痛風など)・悪性腫瘍・肺炎などを認めない
- 迅速なステロイド反応
治療法
リウマチ性多発性筋痛症(PMR)の治療には、主にステロイド薬が使用されます。
ステロイド(プレドニゾロン 15mg/日)が奏功します。ゆっくりと減量していきます。
急に中止するとリウマチ性多発性筋痛症(PMR)の再発が起きるので、1年半から2年程度かけて減量・中止を目指します。
しかし残念ながら、再発率が高いことが特徴です。ステロイドの副作用を最小限に抑えるため、定期的な外来受診が必要です。
多発性筋痛症(PMR)についてさらに詳しい情報が必要でしたらお気軽にご受診ください。
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